【インターチェンジの設計】変速車線(ランプターミナル)の路肩幅員について詳しく解説します

主旨と結論

本線とランプの路肩幅員が異なる場合、そのつなぎ目に位置する変速車線(ランプターミナル)の路肩幅員は、どちらと合わせるべきでしょうか?

特にランプ路肩のほうが本線路肩よりも広い場合、変速車線の路肩幅員を広いランプ路肩幅員に合わせてしまうと、ただでさえ本線車線と変速車線が並走していて全体として広大な幅員となっている区間において、更に「本線単路部よりも広い路肩」を設ける訳ですから、かなり過大な印象となります。

ですが結論から書くと、本線路肩とランプ路肩の大小関係に関わらず、変速車線の路肩幅員は「ランプ路肩」と合わせるのが正解となります。

繰り返しとなりますが「本線路肩とランプ路肩の大小関係に関わらず」ですが、例として「ランプ路肩のほうが本線路肩よりも広い場合」のサンプル図面を以下に示します。が正しくて、×が不正解となります。

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なお、このサンプル図は「OFFランプ(減速車線)」の例ですが、「ONランプ(加速車線)」も同様です。

以下、根拠と留意点を記します。

根拠

日本道路協会から発行されている「道路構造令の解説と運用(平成27年6月)」のP.561には、

変速車線の横断構成は原則としてランプの横断構成と同一とする。

と明記されており、かつ、その次のページであるP.562に「変速車線の横断構成」として下図の通り定義されています(下図は原本を見ながら私がCADで書いたものです)。

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以上を見る限り、「変速車線の路肩幅員はランプ路肩幅員である」としか読み取りようがなく、かつ基本でも標準でもなく「原則」とされていますので、余程の事情がない限りは従うべき事項なのだと私は解釈しています。

留意点

以上は当然ながら「道路構造令の解説と運用(平成27年6月)」に準拠して設計する場合の話となります。

すなわち、高速道路会社等が独自の基準を出しておりそちらに準拠する場合などは、上記の限りではありません。例えば特例として「ランプ路肩よりも本線路肩のほうが狭い場合は本線路肩を採用することを認めている」ケースもあります。

おわりに

以上、「変速車線(ランプターミナル)の路肩幅員」について解説しました。