【平面線形】「曲線半径」と「曲線長」が分かっている時の交角θの出し方
はじめに
下図のように、クロソイドの無い単曲線で、半径(下図ならR=50m)と曲線長(下図ならL=30m)が分かっている際に、その交角θを算出したい時があります。
例えば今回の例(上図)は小さな半径ですが、もっと大きな半径では普通にクロソイドを省略します。かつクロソイドを省略するほど大きな半径で曲がる場合は交角θが小さくなるケースも多く、θが7°未満の場合はその曲線長が短すぎないか「定数/θ」で照査する必要がある為(定数は設計速度で決まる値)、そのような際にθを算出する必要が生じます。
また「平面線形」(幾何構造)以外の話(例えば何かの構造図等の作図など)も含めると、CAD作業において「半径と曲線長を押さえた円弧を書きたい」場合などにも必要となります。
CAD上で測ったりトライアルしたりするよりも、慣れていれば電卓で「数秒」で出せますので、今回はその計算方法と原理を説明致します。
計算の仕方(電卓)
上図のθなら、以下のように算出します。式の中の記号は演算記号というよりかは、電卓のボタンです。
30÷2÷3.14159265÷50×360=34.377…(度)
すなわち、
曲線長÷2÷π÷半径×360=交角
です。
原理の説明
簡単な中学数学の内容となります。
上図は冒頭の図に半径R=50mの円などを書き足したものです。
図より明らかに、交角θを求めるということは、L=30mの円弧の中心角θを求めることと同義となります。
さて、半径R=50mの円全体の円周の長さは、
円周の長さ
=2×π×半径 …①
です。これの中心角は当然ながら360°(円一周)です。…②
これ(①)に対して、今回求めたいL=30m(曲線長)の比率は、
曲線長/①
すなわち、
曲線長/(2×π×半径) …③
ですから、求めたい交角θは、円一周の角度(②)に上記の比率(③)を掛ければ求まりますので、
交角θ
=360×曲線長/(2×π×半径)
と分かります。
上記の表現を変えると、
交角θ
=曲線長÷2÷π÷半径×360
となります。
おわりに
以上、「曲線半径」と「曲線長」が分かっている時の交角θの出し方について記しました。